2026年10月、日本年金機構から、年金支給額や介護保険料、税金などの控除額、実際に振り込まれる金額が記載されている「年金振込年金振込通知書」が送付されています。

2026年10月は年金から天引きされる介護保険料などが変更される時期であり、振込額が変わる方に年金振込通知書が送付されています。

ただし、振込額が変わったからといって、必ずしも年金そのものが増減したとは限りません。

この記事では、年金振込通知書が届いたら確認したい5つの項目や、振込額が変わる理由について解説します。

年金振込通知書とは?2026年10月に届く対象者

年金振込通知書とは?2026年10月に届く対象者

年金振込通知書とは、年金を口座振込で受け取っている方に対して、各支払期の年金支給額や控除額、振込額などを知らせる書類です。

通常は毎年6月に、6月から翌年4月までの各支払期の金額がまとめて通知されます。その後、振込額や振込先の金融機関などに変更があった場合には、その都度送付される仕組みです。

日本年金機構は、10月から年金振込額が変わる方に向けて、年金振込通知書を2026年10月2日以降順時送付しています。

年金振込通知書が届いた方は、年金額だけでなく、年金から特別徴収(天引き)される社会保険料や税金にも注目することが大切です。

なお、通知書が届いていないからといって、年金が支給されないわけではありません。振込額や振込先に変更がなければ、通知書が送付されない場合もあります。

参考:日本年金機構「令和8年10月の年金支払いにかかる年金振込通知書を送付しています」

年金振込通知書が届いたら確認したい5つの項目

年金振込通知書を受け取った際に確認したい項目は、次の5つです。

  • 年金支給額はいくらか
  • 介護保険料や健康保険料の控除額はいくらか
  • 所得税・住民税などの控除額はいくらか
  • 控除後振込額はいくらか
  • 振込先と前回支給額に間違いがないか

各項目の具体的な見方を解説します。

年金支給額はいくらか

最初に確認したいのが年金支給額です。年金支給額とは、1回の支払期に支払われる年金額のうち、保険料や税金などを差し引く前の金額を指します。

公的年金は原則として偶数月の15日に、前月までの2か月分がまとめて支払われます。月額と勘違いしないように注意しましょう。例えば、10月の支払期には、原則として8月分と9月分の年金が支払われるということです。

また、2026年10月に振込額が変わっていても、年金支給額そのものが変わったとは限りません。社会保険料や税金などの控除額が変わった可能性もあるため、ほかの項目もあわせて確認することが重要です。

日本年金機構「年金振込通知書」

介護保険料や健康保険料はいくらか

年金から、介護保険料や健康保険料といった社会保険料が、いくら天引きされるのかも確認する必要があります。

年金振込通知書には、主に次の項目が記載されています。

  • 介護保険料額
  • 後期高齢者医療保険料、または国民健康保険料(税)

これらは、一定の要件を満たす場合に年金から天引きされる保険料です。

2026年10月に振込額が変わった方は、これらの控除額が前回の通知書と比べて変わっていないか確認しましょう。

例えば、年金支給額が同じでも、介護保険料や健康保険料の天引き額が増えれば、実際に振り込まれる金額は少なくなります。反対に、控除額が減れば振込額が増えることもあるでしょう。

なお、2026年度からは、国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料とあわせて、「子ども・子育て支援金」が徴収されています。子ども・子育て支援金とは、少子化対策や子育て支援の強化を目的とする制度で、すべての世帯が負担するものです。

詳細については、加入している医療保険制度や自治体の案内を確認しましょう。

こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

所得税・住民税はいくらか

年金からは、所得税や住民税が天引きされることもあるため、確認が必要です。

年金振込通知書には、主に次の税額が記載されています。

  • 所得税額および復興特別所得税額
  • 個人住民税額および森林環境税額

ただし、すべての年金受給者に税金が課されるわけではありません。年金収入やその他の所得、年齢、各種控除などによって、課税の有無や金額は異なります。

なお、年金振込通知書に記載された税額だけでは、税額が変わった詳しい理由までは分からないことがあります。疑問がある場合は、市区町村役所や税務署などに確認しましょう。

控除後振込額はいくらか

生活費を把握するために特に重要なのが、控除後振込額です。控除後振込額とは、年金支給額から社会保険料、所得税および復興特別所得税、個人住民税および森林環境税などを差し引いた後、実際に振り込まれる金額のことです。

例えば、年金支払額が20万円で、各種控除額が次の通りだとします。

項目金額
年金支給額20万円
介護保険料8,000円
健康保険料7,000円
所得税3,000円
住民税2,000円
控除後振込額18万円

※金額は仕組みを説明するための例です。実際の控除額は個人の状況などによって異なります。

この例では、年金支給額は20万円ですが、実際に口座に振り込まれるのは18万円です。

家計のやりくりでは、年金支給額ではなく、実際に受け取れる控除後振込額を基準に考えることが大切です。

10月の振込額が前回より少なくなっている場合は、年金支払額と各控除額を比較すると、変化した理由を整理しやすくなります。

振込先と前回支給額に間違いがないか

振込先の金融機関と前回支給額も確認しましょう。

年金振込通知書には、年金が振り込まれる金融機関の支店名などが記載されています。金融機関の変更手続きをした方は、変更後の振込先が正しく表示されているか確認してください。

また、通知書には前回の支払月に支払われた金額も記載されています。今回の金額と比較すれば、振込額がどの程度変わったのかを把握できます。

10月から年金支給額が異なる3つの理由

10月から年金支給額が異なる3つの理由

10月に年金の振込額が変わる主な理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 「仮徴収」から「本徴収」へ切り替わるため
  • 前年所得の変化により保険料や税額が変わるため
  • 年金受給が1年目の方は新たに特別徴収が始まるため

自分のケースに該当するものがないか、詳しく確認していきましょう。

「仮徴収」から「本徴収」へ切り替わるため

10月に年金の振込額が変わる大きな要因の一つが、「仮徴収」から「本徴収」への切り替えです。

年金から天引きされる介護保険料や住民税などの年間額は、前年の所得をもとに毎年6月頃に確定します。そのため、4月・6月・8月の振込では、確定前の仮の金額(前年度の額が目安)を天引きする「仮徴収」が行われます。

その後、年間額が確定した後の10月・12月・翌年2月の振込の際に、「本徴収」が行われる流れです。本徴収では、正式な税額や保険料から仮徴収分を差し引いた残額を、均等に天引きします。

前年の所得変動などにより年間額が調整されると、8月と10月で天引き額に差が生じ、手取りの支給額が変化することがあります。

なお、仮徴収・本徴収の仕組みや金額の決まり方は、保険料や税金の種類によって異なるのが一般的です。すべてが一律に同じ計算方法で変更されるわけではないため、市区町村から届く決定通知書も確認しましょう。

前年所得の変化により保険料や税額が変わるため

前年の所得が変化することも、年金の手取り額が変わる原因の一つです。

年金から天引きされる住民税や介護保険料、国民健康保険料などの金額は、前年の所得をもとに算出される仕組みです。前年に不動産売却や一時的な収入、パート収入の増加などで所得が増えていた場合、今年度の税金や社会保険料が増額する可能性があります。

ただし、所得が増えたからといって、すべての保険料や税額の負担が必ず重くなるわけではありません。実際の金額は、適用される控除や自治体の制度などによって異なります。

年金受給が1年目の方は新たに特別徴収が始まるため

これまで普通徴収されていた社会保険料や税金が、年金からの天引きに切り替わると、口座に振り込まれる年金額が少なくなったと感じることがあります。普通徴収とは、社会保険料や税金などを、納付書や口座振替で納める方法のことです。

特に、年金受給1年目の方は、受給海事時は特別徴収ではなく普通徴収が適用され、10月から特別徴収に切り替わるケースが多くみられます。

これまで自分で納付していた分が年金から天引きされるようになるため、振込額が減少したと感じがちです。しかし実際には、納付方法が変更になっただけで、実質的な手取り額が変更になったわけではないことになります。

なお、特別徴収への切り替え時期は、社会保険料や税金の種類、受給状況、自治体の手続きなどによって異なるため、個別の通知書で確認しましょう。

年金振込通知書の記載内容が分からないときは?

年金振込通知書の記載内容について疑問がある場合は、内容に応じた窓口に問い合わせましょう。

主な相談内容とその相談先は以下の通りです。

相談内容相談先
年金振込通知書の記載内容日本年金機構の「ねんきんダイヤル」や年金事務所
介護保険料・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料市区町村役所の担当窓口
住民税や森林環境税市区町村の税務担当窓口
所得税・復興特別所得税税務署

相談する際は、年金振込通知書や、自治体から届いた保険料・税金の決定通知書などを手元に用意しておくと、確認がスムーズに進みます。

また、「ねんきんネット」に登録している方は、オンラインで年金振込通知書の内容を確認できます。PDF形式で保存・印刷できるほか、通知書の再交付申請も可能です。

日本年金機構「ねんきんネットによる年金支払いに関する通知書の確認」

年金振込通知書を受け取ったら内容をしっかり確認しよう

年金振込通知書を受け取ったら内容をしっかり確認しよう

2026年10月に年金振込通知書を受け取ったら、年金支払額、保険料や税金の控除額、控除後振込額などを確認しましょう。

特に、10月から年金の振込額が変わった方は、年金そのものが増減したのか、社会保険料や税金などの控除額が変わったのかを見極めることが大切です。

年金振込通知書の内容に疑問がある場合は、年金の支給額や通知書の記載内容については日本年金機構に、社会保険料や住民税については市区町村役所の担当窓口に確認しましょう。

この記事を書いた人

FP発信|老後のお金

元金融機関勤務のFPです。
人生100年時代といわれるようになって久しい現在、ゆとりある老後資金形成のために役立つ情報を発信中です。

【保有資格】
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・AFP
・一種外務員資格
・年金アドバイザー

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